薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

【各論】糖尿病薬:DPP4阻害薬

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

各論、あと少しです!

 

DPP4阻害薬の種類

ジャヌビア・グラクティブ 
ネシーナ(配合剤:リオベル・イニシンク) 
エクア(配合剤:エクメット) 
テネリア(配合剤:カナリア) 
トラゼンタ
オングリザ 
スイニー 
ザファテック:週1回 服用
マリゼブ:週1回服用

 

 

インクレチンとDPP-4

食べ物を食べると、消化管から分泌されるインクレチン(消化管ホルモン)は、分解酵素であるDPP-4により、2~3分という短い時間で分解されてしまいます。

この、DPP4を阻害するお薬が上記に挙げたものとなります。

インクレチンは膵臓からのインスリン分泌を増強する作用を持ちますが、血糖値が下がるとインクレチンを介したインスリンの分泌が停止するため、このお薬単独では低血糖が極めて起きにくいとされています。

 

服薬のポイント

飲み忘れに気がついたときにできるだけ早く飲み忘れた分(1日分)を服用してください。しかし、次の服用時間が近い場合は飲み忘れた分は飛ばして、次の決められた時間に服用するといいでしょう。

基本的には、朝1回服用するとしたとき朝に飲み忘れたら、夕方位までならOKです。

1日2回朝・夕食の場合で、朝の薬を飲み忘れた時は、お昼頃までに気づいたらすぐに服用でOKでしょう!

ちなみに、このお薬は食事摂取により影響されないことがわかっているので、気付いた時点で服用していただいたらいいと思います。

 

腎機能低下の患者さんには

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上記のお薬の中で腎代謝の薬(トラゼンタ以外)は中等度以上の腎機能障害の方には減量などの措置が必要になる事があります。

ご自身の腎機能を定期的にチェックする必要がありますね。


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【各論】糖尿病薬:SU剤

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

今回も各論です、、、。もう少し続きますが、糖尿病薬は、それぞれのお薬の特徴が結構あります。そして、その特徴を知っておかないと「低血糖」などのリスクにつながりますので、まずは「知って理解する」という事が大切だと思います!

 

SU(スルホニルウレア)剤の種類

  • オイグルコン,ダオニール・・・SU剤の中で最も強力です。作用持続時間12~18hと長いのも特徴です。

 

 

  • アマリール・・・インスリンの分泌を促進させる作用は弱いのですが、インスリンの効きをよくさせる作用もあるので血糖降下作用はグリミクロンとほぼ同等くらいです。作用持続時間6~24hと長めですね。

 

低血糖にはご注意

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SU薬を上手く使いこなす上で「低血糖」は避けて通れない問題です。このお薬は、膵臓に直接働きかけて、インスリンの分泌を促すような作用がありますので、他の糖尿病のお薬に比べると低血糖のリスクは高いです。

しかし、「低血糖」のところでお伝えした内容をご覧いただければと思いますが、適切な対処を行えばそれほど心配することはないですよ!

あとは、極端な食事制限を行なったり、激しい運動をしたりしなければ、低血糖自体も防ぐことができると思います。

 

高齢者の低血糖

 低血糖を本当に注意しないといけないのは高齢者の方です。

高齢者は低血糖の症状が乏しく、気づかないと転倒骨折、入浴事故に繋がるため注意が必要です。

また、低血糖が起こった際には、甘いものを取っていただきたいのですが、飴玉を喉に詰まらせたり、ジュースを急いで飲むことで誤嚥する方などいらっしゃるようですので、ご注意ください。

 

服薬上の注意点 

SU剤とマクロライド系、ニューキノロン系、抗真菌薬の一部などの抗菌薬を併用すると重症低血糖を引き起こすことがあります。

これは、抗生物質がSU剤の代謝を抑制するため、SU剤が蓄積されてしまうんですね!

風邪をひいたときや、膀胱炎などなど、抗生物質が処方されるときは度々あるので、ご注意ください。ちなみに全ての抗生物質ではなく、先述した通り、「マクロライド系」「ニューキノロン」だけですので、抗生物質をもらったときは、薬剤師に

「糖尿病の〇〇(SU剤)という薬を飲んでるけど、この抗生物質低血糖を引き起こしやすくしますか?」

と聞いてみてください!

 

膵臓が疲弊する?

SU剤は長期にわたって使っていると次第に効力が落ちてくる(二次無効)と言われています。

この原因としては「SU剤が膵β細胞を疲弊させ,あるいは細胞数を減らしてしまうから」と説明されることが多いです。そのため、なるべく長期で使用するのは避けたほうがいいと考えている先生もいらっしゃいます。

ところが一方で,「SU薬が膵β細胞を疲弊させるという根拠はない」「高血糖が膵β細胞を傷害するのではないか」と考える先生もいらっしゃいます。

割と一般的には、「膵臓を疲弊させる」と言う説明を受けることが多いようですが、はっきりと分からない、と言うことのようです(^^;

 


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【各論】糖尿病薬:チアゾリジン薬

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

まだまだ続く糖尿病薬の各論、今回は「チアゾリジン薬」についてです。

 

チアゾリジン薬の種類

このお薬は、このアクトスしかないんですね!

ジェネリックは発売されています。

飲み方は、基本的に朝食前もしくは朝食後です。朝食時に飲み忘れた場合は昼食時に服用してください。それ以降の場合は基本的に服用しません。

 

作用について

このお薬は、インスリン抵抗性改善薬という分類です。インスリン受容体のインスリン結合部以降に作用してインスリン抵抗性を減らします。

また、肝臓で糖が作り出されるのを抑えたり、体の組織での糖の利用を高めて血糖を低下させる作用があったりします。

ただ単にインスリンの抵抗を改善するだけではないんですねぇ〜!

 

注意点

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このお薬の特徴として、体の水分が溜まりやすくなる傾向があるので、、心不全・浮腫の出現に注意が必要です

そのため、心不全の治療をされている方は、服用できません。また、むくみが出る方は塩分制限をしっかりすることと、利尿剤を服用したりします。

高齢者やむくみを起こしやすい女性の方はちょっと注意が必要ですね!

 

副作用

浮腫

特に女性で有意に高く見られる副作用です。

浮腫への対応は、利尿剤の追加や、減塩、このお薬の減量・中止などがあります。

 

体重増加

体重増加には浮腫と脂肪組織増加の二つの原因が考えられるのですが、はっきりとは分かっていないようです。

このお薬の服用で、平均1.38kgの体重増加がみられ、約3年間の投与で3~4kg増加を認める場合があるようです、、、。女性の方は特に気になりますよね、、、

浮腫や心不全がなければ脂肪量の増加(特に皮下脂肪)や食欲が増えたなどが考えられるため、生活習慣を見直して、食事療法にしっかりと取り組んで行く必要がありますね!

 

心不全

浮腫と体重増加をきたす場合にに心不全を合併する確率が高いと言われています。

定期的に心電図検査などを行った方がいいでしょう!

浮腫、急激な体重増加、心不全の症状(息切れ、動悸、胸水等)の変化に注意して異常がみられた場合にはすぐに中止し、診察をするようにしてください。

 

膀胱癌との関係

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、アメリカで大きな訴訟問題になってましたね、、、

アメリカでは、

「膀胱癌リスクの有意な上昇はないが、総投与量と期間が増加するとわずかにリスクが高まる可能性」という結果がでました。

欧州医薬品局(EMA)もこの点を検討し、欧州の統一方針として回収は不要で、注意喚起でよいとし、米国食品医薬品局(FDA)と概ね一致したものの、 12月時点で仏・独での処方制限は続いています。

では日本ではどのような見解なのか?

日本では「膀胱癌治療中の投与は避ける」と記載されました。

この薬に関しては、この一種類しかない為、代替えがありません、、、。

私の薬局でも基本的には今までと変わらず処方はされています。

 

このお薬は、とても優秀?なお薬ですが、注意しないといけないこともいくつかありますので、ご自身の体調変化を確認して行くことが大切です!


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【各論】糖尿病薬:グリニド剤

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

今回は、グリニド剤についてご紹介していきます!

糖尿病のお薬はたくさん種類がありますので、まだまだこの各論、続きます、、、。

 

グリニド剤の種類

  • スターシス、ファスティック(ナテグリニド)
  • グルファスト(ミチグリニド)
  • シュアポスト(レパグリニド)

グリニド剤の特徴

このお薬の最大の特徴は、とても効果が早く、かつ切れがいいという事です。イメージとしては『新幹線』といったところでしょうか!?

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効果というのは、このお薬がすい臓に働きかけてインスリン分泌を促します。つまり、食後の血糖値上昇を抑える効果があるのです。

空腹時に服用すると服用後15分程度で効果があらわれて、約30分ほどで効果が最大に到達します。そのため、このお薬はαグルコシダーゼ阻害薬と同様に食直前に服用するお薬です。

グリニド剤は、食後の服用では速やかな吸収が得られず効果が減弱してしまいます。効果的に食後血糖の上昇を抑えるためにも、投与は毎食直前(ナテグリニド食前10分以内、ミチグリニド食前5分以内)とすることが重要になってきます。

 

 

服薬のポイント

このお薬は、服用後速やかに薬効が出るため、いわゆる食前(食事の30分前服用)では食事開始前に低血糖が発現する可能性がります。また、食直前に飲み忘れたため、食後に服用してしまっても低血糖のリスクは高くなります。もし食直前に飲み忘れた場合は、次の食事まで待ち、食直前に服用するようにしましょう!

 

薬を服用してから食事を開始するまでに時間がかかったり、いつもの食事量より少なくなっていると、低血糖を引き起こす可能性が高くなるため、その辺りも注意しながら、低血糖症状をチェックしていく必要があるでしょう。


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【各論】糖尿病薬:ビグアナイド薬

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

しばらく、糖尿病のそれぞれのお薬の特徴についてご紹介していきます!

今回は『ビグアナイド薬』についてです。このお薬も特徴的な注意点がございますので、もし服用されている方がいらっしゃいましたらご注意ください!

 

ビグアナイド剤の種類

  • メトグルコ(メトホルミン)
  • ジベトンS(ブホルミン)
  • 配合剤 メタクト・イニシンク:メトホルミン500mg
  •     エクメット:メトホルミン250mg      

このお薬は、腎臓が悪い方(中等度以上)は基本的には服用できません。腎機能の機能が少し悪くなってきたかな?というレベルでも、ほかのお薬との関係(腎臓の血流量を悪くする薬:例えばロキソニンなどのNSAIDsなど)で腎機能が悪化する恐れがありますので、腎機能の検査は定期的に行ったほうがいいでしょう!!

 

作用について

このお薬の作用を簡単にお伝えするのが難しいのですが、まず一つは、インスリンの抵抗性が改善されます。簡単に言うと、すい臓から分泌されたインスリンの効きがいまいちだったところを、インスリンの効きを良くする、という効果です。

もう一つの作用は、肝臓で糖が作られるのですが、肝臓での糖の産生量を抑制して血糖を低下させるという作用があります。

なんとなくご理解いただけましたでしょうか?

 

あっ、あと、体重を増やさないという特徴があったりもします!うれしいですね~

 

 

 

 

服用時の注意事項

 

基本的には、特別特徴のある服用の仕方などはありません。食後に服用です。

このお薬は患者さんによって1日1回だったり、3回飲む方もいらっしゃいます。量もかなり状態によってかなり変わってきます。

先述した通り、このお薬は、腎臓の機能が低下している方にはNGです。この点は注意したいところです。

糖尿病の方は、合併症に「腎機能低下」があります「し・め・じ」覚えてますか!?腎機能は定期的に調べましょう!!

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服用中に注意すること

・過度のアルコール摂取

・下痢や嘔吐などで食事がしっかりとれず脱水状態の恐れがある場合はいったん服用を中止する

・ヨード造影剤を使用して検査をする場合は、一時的に中止す(後述する「乳酸アシドーシス」を引き起こす可能性があるため)

 

副作用

 

やはり、このお薬で一番注意しなければならないことは「乳酸アシドーシス」です。

酸アシドーシス

途中の、経過はややこしいので割愛させていただきますが、「乳酸アシドーシス」とは血液のpHが酸性側(7.1未満)に傾くことで発現します。

乳酸アシドーシスの初期症状は、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸症状、倦怠感、筋肉痛が特徴的で、いったん発症すると急激に全身状態が悪化し、死に至ることもある重大な副作用なため、服用中に初期症状が発現するようでしたらすぐに受診するようにしてください。

 


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【各論】糖尿病薬:αグルコシダーゼ阻害薬

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

今回からしばらく、糖尿病のお薬についてそれぞれ詳しく見ていこうと思います。

第一弾は「αグルコシダーゼ阻害薬」についてです!

 

作用について

通常、食事をすると糖の大きな塊が「αグルコシダーゼ」という酵素によって、糖の塊が分解されてブドウ糖に分解されます。そして、ブドウ糖に分解されて初めて吸収されます

このお薬は「αグルコシダーゼ阻害薬」なので、糖の大きな塊がブドウ糖に分解されるのを防ぐ、もしくは分解されるのを遅くすることによって、食後の血糖値上昇を緩やかにすることができるのです。

 

種類

  • アカルボース(グルコバイ®)
  • ボグリボース(ベイスン®)
  • ミグリトール(セイブル®)

ジェネリック医薬品の場合は名前が違うことがあります。

 

服用の注意点

食直前服用とされます。作用のところでもお伝えしたように、このお薬は食後の血糖値上昇を緩やかにする効果があります。つまり食事の前に服用する必要があるんですね!

ちなみに食直前とは、食事の5分くらい前に服用することですよ!

「薬を飲んだらすぐに食事をする」という事を意識してみてください。もし食直前に飲み忘れて食事をしてしまったら、、、

食事中に服用してください!ここまでならまだセーフです!

しかし、食事が済んでしまってから気付いた場合、服用は控えましょう。

食後の服用では効果が期待できませんし、低血糖の副作用の心配などもあります。

 

また、このお薬を服用している方は薬局で「ブドウ糖」をもらっておいて下さいね!

低血糖についてのページでも書きましたが、このお薬の場合はブドウ糖でないと低血糖が改善されにくいので要注意です。

 

副作用について

腸閉塞様の症状

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腹部膨満感、おならの増加、便通異常(軟便、下痢、便秘)などの消化器症状が起こることがあります。

通常は軽度で服薬の継続によって1~2ヵ月で改善・消失することが多いと言われています。

腹部膨満感を軽減するためには、

  1. 早食い過食に注意
  2. 服用初期はイモ類、豆類、乳製品の摂取過剰に注意
  3. ビールや炭酸飲料で服用しない

特にお腹の張りやおならが多くなりきになる方は、以上のことを気にしてみてください!

 

肝機能障害、黄疸

からだのかゆみや全身けん怠感が初期症状となります。

アカルボース、ボグリボースでは重篤な肝機能障害、劇症肝炎の報告があります。

初期症状が出るようなら早めに受診しましょう!

重篤な肝機能障害の多くは服用開始後割と早い段階で認められているので、服用開始後6ヵ月までは月1回血液検査で肝機能をチェックした方がいいでしょう!


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糖尿病薬→低血糖にご注意!

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

今回は、糖尿病のお薬を飲まれている方にとって一番注意しなければならない低血糖についてお伝えします。糖尿病薬を服用されている方にとって『低血糖』への注意は付き物ですので、しっかりと知ってもらいたいと思います。

 

低血糖は適切に対処しなけば、意識障害や昏睡などに陥って命を落とす可能性もある、とても怖い副作用なのです。今回は、低血糖の症状をはじめ、原因についても見ていこうと思います。

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どんなときに起こりやすい?

低血糖とは、いわゆる血糖値が下がりすぎた状態です。つまり、何らかの原因で、インスリンが出すぎて下がりすぎたのか?もしくは糖分が何らかの原因でほとんど吸収されていない状況というのが考えられます。

では、そのような状況とはどういった場合があるのでしょうか?

・薬を飲み間違えた、打ち間違えた

・不規則な食事(極端に少ない・食べれなかったなど)

・激しい運動や長時間の運動をした時

・飲酒

・入浴時

・病気や検査などによる食事量の減少や絶食などによくみられます

 

低血糖でよくみられる症状

低血糖とは、いわゆる血糖値が下がりすぎている状態のことです。すぐに糖分を補給すれば回復しますので、あわてずに行動しましょう。軽度のうちの対応がとても大切です。

初期段階の低血糖症

・手指のふるえ

・動悸

・頻脈

・冷や汗

・強い空腹感    など

 

もし低血糖が起きてしまった場合は、この段階で対処する事が大切です!

 

中等度の低血糖症

・頭痛

・目のカスミ

・めまい

・生あくび   など

 

この状態になると要注意です。

血糖値が50mg/dL程度まで低下している状態です。早急に対応が必要でしょう!

 

重度の低血糖症

・意識レベルの低下(意識消失)

・せん妄

見当識障害(時間・場所・季節など状況がわからなくなる事)

・けいれん

 

この状態は、血糖値が50mg/dL以下になっていると考えられます。意識障害に至り、昏睡に陥ることもあります。

非常に危険な状況です。速やかにブドウ糖を摂取する、もしくは病院に行きましょう!

 

何よりもまず、低血糖の初期症状をきちんと理解した上で、早めの対応が重要です。

もし低血糖の自覚が難しいときには、血糖自己測定を行って血糖値の状態を確認しましょう。血糖値が60mg/dL以下であれば低血糖ですが、自覚症状があって70mg/dL以下でも低血糖と考えて糖分(砂糖やブドウ糖、糖分を多く含んだジュースなど)を補給しておくとよいでしょう。
低血糖になった!」と思ったら、我慢せずにすぐに対応し、「低血糖かな?」と思ったらすぐに確認してみることがとても重要です。
低血糖の症状には、個々人で特徴や傾向がみられます。低血糖を経験するうちに自分がどんなときになりやすく、どんな症状が起こるのかわかってくるようになりますので、早めの対応ができるようになるようにしていきましょう

 

対処方法

基本的には、低血糖の初期症状であれば、ジュースや飴などを早急に取っていただければ、十分対応が可能だと思います。

しかし、ジュースや飴といったのいわゆる砂糖の場合、ブドウ糖より効果が表れるのが遅くなるので、15分ほど経過しても症状が良くならない、または、血糖値が60mg/dL以下であるようなら、再度、ジュースや飴を摂りましょう!

それでも良くならない場合はすぐに病院に行っていただく必要があります。

 

ちなみに、注意していただきたい場合があります。それは、糖尿病のお薬の中で、αーグルコシダーゼ阻害薬を服用中の患者さんです。

このお薬を飲まれている場合は、砂糖などの多糖類では分解・吸収が抑制されてしまうので低血糖への対処になりません。必ずブドウ糖を薬局でもらっておくようにしてください。

 

以上は、低血糖初期の段階での対応方法でしたが、血糖がかなり下がりすぎてしまっている場合は、自分で対応する事が難しい場面が出てきます

このような場合は、身近な人や家族などに口に含ませてもらったり、飲み込むことが難しければブドウ糖や砂糖を口びるや歯肉に塗りつけてもらうなどの対応をしてもらうようにします。これらは応急処置と考え、その後すぐに主治医に連絡を取り受診するまたは医療機関を救急受診します。

 

その他、車を運転される方は特に注意していただきたいと思います。自動車を運転する方は、低血糖から自分だけでなく周囲を巻き込む大きな事故に発展する危険をはらんでいることを自覚してください。
車内には必ずブドウ糖や砂糖、ジュースなどのブドウ糖を多く含む食品を常備するようにしてください。


低血糖が度々起こると危険!

低血糖を何度か繰り返すと、低血糖を感知するセンサーの動きが鈍くなるため、血糖値がかなり低くならないと症状が現れません。

つまり、本来なら低血糖症状の初期の段階をきちんと理解した上で対処することが大切なのですが、いきなり意識障害が発現する可能性があるという事です。

そのため、日ごろから低血糖症状が起きないような生活リズムなどを心掛けることが重要です。


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