薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

便秘薬の代表格~酸化マグネシウムについて:作用と飲み方~

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

前回は、便秘薬の全体像について見ていきました。

どんな薬があるのか?

どのような特徴があるのか?

など、全体像が見えたのではないかと思います。また、皆さんが飲まれている便秘薬が、どのような系統の便秘薬なのか?把握できたと思います。

ryouhei200611111.hatenablog.com

便秘薬と一括りで言っても、たくさんの種類があることがご理解いただけたんじゃないかなと思います。

逆に言うと、たくさんの種類があるからこそ、その方々にとって適切な種類の便秘薬を選ばなければなりませんし、量の調節も難しいのが便秘薬です。

 

そこで今回は、タイトルにあるように、便秘薬の2トップの1つ「酸化マグネシウム」についてお伝えしようと思います。

いわゆる酸化マグネシウムは一般名で、皆さんがもらう薬は「商品名」です。この「酸化マグネシウム」という名前自体を商品名にしているものもありますし、他には「マグミット」「マグラックス」など沢山の製薬会社から商品が発売されています。

 

この「酸化マグネシウム」の分類としては、

「浸透圧性下剤」の中の「塩類下剤」という立ち位置になっています。

では、このお薬の特徴をお伝えしようと思います。

 

浸透圧性下剤とは?

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酸化マグネシウムがは胃酸を中和した後、成分が変わり「重炭酸塩」になります。これがつまり、「塩類下剤」という言葉の意味になるんですが、そんなのはどうでもいいですね(^^;)

この重炭酸塩が腸の中に来ると「浸透圧」が上昇します。

じゃあこの浸透圧って何なの?という事なのですが、「浸透圧」とは、簡単に言うと「同じ濃度(濃さ)になろうとする」チカラのことです。

つまり、酸化マグネシウムを服用すると、腸内の浸透圧が上昇することで、腸内がいわゆる「濃い」状態になっているので、「濃さ」を同じにするために、腸内に水が流れ込んでくるんです。

そうなるとどうなるのか?

 

腸内に水が入ってくるため、その腸内にある硬~くなったウンチが柔らかくなるんですね!

それと同時に、そのウンチが腸に刺激を与えることで、「ウンチに行きたい!」という流れになるという事です。

 

そのため、この酸化マグネシウムを含む「浸透圧性下剤」というのは、

便が硬くて出にくい方が服用したほうが良い便秘薬と言えますね!

 

服用時のポイント

浸透圧性下剤というのは、腸の中に水分が流れ込むことで便を柔らかくして便秘を解消するというお薬です。

そのため、体の中に十分な水分がないと、なかなか効果が出にくいという事が言われています。

つまり、服用する際は、なるべく多めのお水で服用していただくと同時に、便秘全般にいえることではあるのですが、日ごろから水分を十分にとるように心掛けていただきたいなと思います!

 

次回は、酸化マグネシウムを服用するうえでの注意点・副作用などについてお伝えしようと思います!


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