薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

酸化マグネシウムを服用するうえで注意する事

 

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

前回に引き続き、今回も便秘の2トップの1つ「酸化マグネシウム」についてお伝えしていこと思います。

 

この「酸化マグネシウム(マグミットやマグラックス)」は便秘の方には非常に一般的なお薬です。

便秘かも!?といってお薬をもらう際はかなりの確率で処方されるほどスタンダードなお薬なので、皆さんそんなに心配にもなっていないかもしれませんが、酸化マグネシウムを服用している方たちに注意していただきたいことがありますので、その辺りお伝えしていこうと思います。

f:id:ryouhei200611111:20170927110931p:plain

副作用について

やはり、この酸化マグネシウムを服用していくうえで一番の注意事項は、

マグネシウム血症

となります。

いわゆる、体の中のマグネシウムの量が多くなりすぎてしまう副作用です。

実はこの副作用怖いんですね・・・(TT)

重篤な場合は、

呼吸抑制・意識障害不整脈・心停止

このようなことになる可能性が、非常にわずかではあるのですが、あるという事です。

しかし、

以前にもお伝えしたように、副作用が表れると同時に上記のような症状が出るか?というとそうではないですよね!?記事を読んでくださった方は覚えてくれていますか?

ryouhei200611111.hatenablog.com

重篤な副作用も必ず初期症状があるんですよね!

今回の場合で言うと、

悪心・嘔吐・口渇・血圧低下・徐脈・皮膚潮紅・筋力低下・傾眠

このような症状が出るようでしたら、受診をしてください。

血液検査によって、血中のマグネシウム量を測定することが可能であり、もし高くなっているようでしたら、中止が必要になるでしょう。

 

高齢者の方へ

高齢者の場合は、高マグネシウム血症により、重篤な状態になる例が報告されていますので、なるべく少ない量にするとともに、長期間服用しているのであれば、予め定期的に血液検査を実施し、血中のマグネシウムの量を測定したほうが良いでしょう。

 

飲み合わせについて

抗生物質

抗生物質にもたくさんの種類がありますが、その中で、

テトラサイクリン系

ニューキノロン

この2種類については、マグネシウムと抗生剤がくっついてしまい、抗生剤が吸収されにくくなってしまうため、抗生物質の効果が弱まってしまうため、同時服用はしないようにしてください。

一般的に前後2時間くらい間を空ければ問題ないと言われています。

抗生物質が処方されたときは、酸化マグネシウムとの飲み合わせについて薬剤師に確認しておきましょう!!

 

大量の牛乳・カルシウム剤

常排泄されるカルシウムが再吸収されてしまい、カルシウムの血中濃度が高くなりすぎてしまうことがあるため、注意が必要です。

ちなみに、「大量の牛乳」といってもコップ1杯くらいなら通常は大丈夫だと思われます。目安としては1日1L以上になると「大量」という判断になるかと思います。

しかし、個人差は大きい為、高カルシウム血症の初期症状を以下に記載しているので参考にしてみてください。

疲れやすい・倦怠感

焦燥感・幻覚などの意識障害

多尿・多飲・のどの渇き

食欲低下・嘔吐

など

たとえ1杯でも可能性はゼロではないため、ご注意ください

 

その他、他にも注意しないといけないお薬は沢山あるのですが、全てを載せてしまうときりがない為、代表的なものを紹介いたしました。

 

以上、酸化マグネシウム(マグミットやマグラックスなど)を服用される場合の注意事項でした。

安心・安全に服用していただくための参考にしていただきたいと思います。

このお薬を飲まれている方で、気になる事がありましたら是非かかりつけの薬局・薬剤師にご相談くださいね!!

 

 


健康と医療ランキング にほんブログ村 病気ブログ 薬疹・薬の副作用へ
にほんブログ村 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村