薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

糖尿病の検査と診断

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちわ!

 

糖尿病シリーズ、今回は『検査値と診断』についてお伝えしようと思います。

糖尿病検査の項目って実は色々とあるんですが、一般的に実施する検査をご紹介したいと思います

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糖尿病の検査項目

糖尿病の診断には、血液検査が必要です。主に4項目を測定します。

 

随時血糖値

食後から時間を決めないで採決をして、血糖値を測る検査です。

この随時血糖値が200mg/dL以上ある場合は、「糖尿病」と診断されます。

 

早朝空腹時血糖値

検査当日の朝食を抜いた空腹の状態で採血をし、血糖値を測る検査です。

健康な人では、朝食前の血糖値が1日の中で最も低いとされています。

この検査をする場合は、食事から10時間以上あけて測定するため、一般的には、前日の夜9時以降絶食し、水分も糖分の入っていないもにしなければなりません。

この早朝空腹時血糖値が126mg/dL以上ある場合は、「糖尿病」と診断されます。

 

75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験

糖尿病を最も確実に診断できる検査です。

検査当日の朝まで10時間以上絶食した空腹のまま採血し、血糖値を測ります。次に、ブドウ糖液(ブドウ糖75gを水に溶かしたもの)を飲み、30分、1時間、2時間後に採血をし、血糖値を測るという検査です。

糖尿病の診断には、2時間後の血糖値を用います。30分、1時間後の血糖値は、糖尿病の診断に必須ではありませんが、リスクが高い人を見出すのに役に立ちます。

この検査には注意が必要で、この検査は75gのブドウ糖をいっぺんに飲むんですよね。ブドウ糖はとても吸収の良い糖です。そのため、血糖値がグンっと上がります。つまり、自覚症状などから明らかな高血糖が疑われる患者さんにこの検査を行うと、さらに高血糖になってしまうリスクがあるため、そのような場合にはこの検査は糖尿病診断に必須とはなりません。

75gOGTTで2時間値200mg/dL以上ある場合は、「糖尿病」と診断されます。

 

HbA1c(ヘモグロビンA1c)

過去1~2か月の血糖を反映する指標です。

一般的に血糖値というと、食事の影響を受けるため、検査の前日位から急に食事を控えたり、お酒を飲まなかったりなどの不正?(^^;)を働く方がいらっしゃるのですが、このHbA1cにかかれば、そんな不正は通用しません、、、(^^;)

基本的には、前日の食事や当日の食事に影響を受けない検査項目になる為、日ごろからの血糖の具合をチェックすることができる検査項目になっています。

 

糖尿病の診断

以上、4つの検査項目をお伝えしましたが、この検査項目によって「糖尿病」診断を行います。診断方法は、、、

早朝空腹時血糖値126mg/dL以上

75gOGTT2時間値200mg/dL以上

随時血糖値200mg/dL以上

HbA1c6.5%以上

いずれかが確認された場合は、糖尿病の恐れがあるという判断になります。

但し「早朝空腹時血糖値・75gOGTT2時間値・随時血糖値」のいずれか1つと、「HbA1c」が基準値を超えていた場合は「糖尿病」と診断されます。

早朝空腹時血糖値110mg/dL未満・75gOGTT2時間値140mg/dL未満の場合は、「正常」という判断になります。

いずれの基準値にも入っていない場合は、「境界型」として、いわゆる糖尿病予備軍ととなります。

 

また、治療開始になった後も、このような検査を定期的に実施し、血糖コントロールがきちんとできているかをチェックしていきます。


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