糖尿病薬→低血糖にご注意!
お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!
今回は、糖尿病のお薬を飲まれている方にとって一番注意しなければならない『低血糖』についてお伝えします。糖尿病薬を服用されている方にとって『低血糖』への注意は付き物ですので、しっかりと知ってもらいたいと思います。
低血糖は適切に対処しなけば、意識障害や昏睡などに陥って命を落とす可能性もある、とても怖い副作用なのです。今回は、低血糖の症状をはじめ、原因についても見ていこうと思います。
どんなときに起こりやすい?
低血糖とは、いわゆる血糖値が下がりすぎた状態です。つまり、何らかの原因で、インスリンが出すぎて下がりすぎたのか?もしくは糖分が何らかの原因でほとんど吸収されていない状況というのが考えられます。
では、そのような状況とはどういった場合があるのでしょうか?
・薬を飲み間違えた、打ち間違えた
・不規則な食事(極端に少ない・食べれなかったなど)
・激しい運動や長時間の運動をした時
・飲酒
・入浴時
・病気や検査などによる食事量の減少や絶食などによくみられます
低血糖でよくみられる症状
低血糖とは、いわゆる血糖値が下がりすぎている状態のことです。すぐに糖分を補給すれば回復しますので、あわてずに行動しましょう。軽度のうちの対応がとても大切です。
初期段階の低血糖症状
・手指のふるえ
・動悸
・頻脈
・冷や汗
・強い空腹感 など
もし低血糖が起きてしまった場合は、この段階で対処する事が大切です!
中等度の低血糖症状
・頭痛
・目のカスミ
・めまい
・生あくび など
この状態になると要注意です。
血糖値が50mg/dL程度まで低下している状態です。早急に対応が必要でしょう!
重度の低血糖症状
・意識レベルの低下(意識消失)
・せん妄
・見当識障害(時間・場所・季節など状況がわからなくなる事)
・けいれん
この状態は、血糖値が50mg/dL以下になっていると考えられます。意識障害に至り、昏睡に陥ることもあります。
非常に危険な状況です。速やかにブドウ糖を摂取する、もしくは病院に行きましょう!
何よりもまず、低血糖の初期症状をきちんと理解した上で、早めの対応が重要です。
もし低血糖の自覚が難しいときには、血糖自己測定を行って血糖値の状態を確認しましょう。血糖値が60mg/dL以下であれば低血糖ですが、自覚症状があって70mg/dL以下でも低血糖と考えて糖分(砂糖やブドウ糖、糖分を多く含んだジュースなど)を補給しておくとよいでしょう。
「低血糖になった!」と思ったら、我慢せずにすぐに対応し、「低血糖かな?」と思ったらすぐに確認してみることがとても重要です。
低血糖の症状には、個々人で特徴や傾向がみられます。低血糖を経験するうちに自分がどんなときになりやすく、どんな症状が起こるのかわかってくるようになりますので、早めの対応ができるようになるようにしていきましょう
対処方法
基本的には、低血糖の初期症状であれば、ジュースや飴などを早急に取っていただければ、十分対応が可能だと思います。
しかし、ジュースや飴といったのいわゆる砂糖の場合、ブドウ糖より効果が表れるのが遅くなるので、15分ほど経過しても症状が良くならない、または、血糖値が60mg/dL以下であるようなら、再度、ジュースや飴を摂りましょう!
それでも良くならない場合はすぐに病院に行っていただく必要があります。
ちなみに、注意していただきたい場合があります。それは、糖尿病のお薬の中で、αーグルコシダーゼ阻害薬を服用中の患者さんです。
このお薬を飲まれている場合は、砂糖などの多糖類では分解・吸収が抑制されてしまうので低血糖への対処になりません。必ずブドウ糖を薬局でもらっておくようにしてください。
以上は、低血糖初期の段階での対応方法でしたが、血糖がかなり下がりすぎてしまっている場合は、自分で対応する事が難しい場面が出てきます
このような場合は、身近な人や家族などに口に含ませてもらったり、飲み込むことが難しければブドウ糖や砂糖を口びるや歯肉に塗りつけてもらうなどの対応をしてもらうようにします。これらは応急処置と考え、その後すぐに主治医に連絡を取り受診するまたは医療機関を救急受診します。
その他、車を運転される方は特に注意していただきたいと思います。自動車を運転する方は、低血糖から自分だけでなく周囲を巻き込む大きな事故に発展する危険をはらんでいることを自覚してください。
車内には必ずブドウ糖や砂糖、ジュースなどのブドウ糖を多く含む食品を常備するようにしてください。
低血糖が度々起こると危険!
低血糖を何度か繰り返すと、低血糖を感知するセンサーの動きが鈍くなるため、血糖値がかなり低くならないと症状が現れません。
つまり、本来なら低血糖症状の初期の段階をきちんと理解した上で対処することが大切なのですが、いきなり意識障害が発現する可能性があるという事です。
そのため、日ごろから低血糖症状が起きないような生活リズムなどを心掛けることが重要です。