薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

【各論】糖尿病薬:αグルコシダーゼ阻害薬

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

今回からしばらく、糖尿病のお薬についてそれぞれ詳しく見ていこうと思います。

第一弾は「αグルコシダーゼ阻害薬」についてです!

 

作用について

通常、食事をすると糖の大きな塊が「αグルコシダーゼ」という酵素によって、糖の塊が分解されてブドウ糖に分解されます。そして、ブドウ糖に分解されて初めて吸収されます

このお薬は「αグルコシダーゼ阻害薬」なので、糖の大きな塊がブドウ糖に分解されるのを防ぐ、もしくは分解されるのを遅くすることによって、食後の血糖値上昇を緩やかにすることができるのです。

 

種類

  • アカルボース(グルコバイ®)
  • ボグリボース(ベイスン®)
  • ミグリトール(セイブル®)

ジェネリック医薬品の場合は名前が違うことがあります。

 

服用の注意点

食直前服用とされます。作用のところでもお伝えしたように、このお薬は食後の血糖値上昇を緩やかにする効果があります。つまり食事の前に服用する必要があるんですね!

ちなみに食直前とは、食事の5分くらい前に服用することですよ!

「薬を飲んだらすぐに食事をする」という事を意識してみてください。もし食直前に飲み忘れて食事をしてしまったら、、、

食事中に服用してください!ここまでならまだセーフです!

しかし、食事が済んでしまってから気付いた場合、服用は控えましょう。

食後の服用では効果が期待できませんし、低血糖の副作用の心配などもあります。

 

また、このお薬を服用している方は薬局で「ブドウ糖」をもらっておいて下さいね!

低血糖についてのページでも書きましたが、このお薬の場合はブドウ糖でないと低血糖が改善されにくいので要注意です。

 

副作用について

腸閉塞様の症状

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腹部膨満感、おならの増加、便通異常(軟便、下痢、便秘)などの消化器症状が起こることがあります。

通常は軽度で服薬の継続によって1~2ヵ月で改善・消失することが多いと言われています。

腹部膨満感を軽減するためには、

  1. 早食い過食に注意
  2. 服用初期はイモ類、豆類、乳製品の摂取過剰に注意
  3. ビールや炭酸飲料で服用しない

特にお腹の張りやおならが多くなりきになる方は、以上のことを気にしてみてください!

 

肝機能障害、黄疸

からだのかゆみや全身けん怠感が初期症状となります。

アカルボース、ボグリボースでは重篤な肝機能障害、劇症肝炎の報告があります。

初期症状が出るようなら早めに受診しましょう!

重篤な肝機能障害の多くは服用開始後割と早い段階で認められているので、服用開始後6ヵ月までは月1回血液検査で肝機能をチェックした方がいいでしょう!


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