薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

【各論】糖尿病薬:ビグアナイド薬

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

しばらく、糖尿病のそれぞれのお薬の特徴についてご紹介していきます!

今回は『ビグアナイド薬』についてです。このお薬も特徴的な注意点がございますので、もし服用されている方がいらっしゃいましたらご注意ください!

 

ビグアナイド剤の種類

  • メトグルコ(メトホルミン)
  • ジベトンS(ブホルミン)
  • 配合剤 メタクト・イニシンク:メトホルミン500mg
  •     エクメット:メトホルミン250mg      

このお薬は、腎臓が悪い方(中等度以上)は基本的には服用できません。腎機能の機能が少し悪くなってきたかな?というレベルでも、ほかのお薬との関係(腎臓の血流量を悪くする薬:例えばロキソニンなどのNSAIDsなど)で腎機能が悪化する恐れがありますので、腎機能の検査は定期的に行ったほうがいいでしょう!!

 

作用について

このお薬の作用を簡単にお伝えするのが難しいのですが、まず一つは、インスリンの抵抗性が改善されます。簡単に言うと、すい臓から分泌されたインスリンの効きがいまいちだったところを、インスリンの効きを良くする、という効果です。

もう一つの作用は、肝臓で糖が作られるのですが、肝臓での糖の産生量を抑制して血糖を低下させるという作用があります。

なんとなくご理解いただけましたでしょうか?

 

あっ、あと、体重を増やさないという特徴があったりもします!うれしいですね~

 

 

 

 

服用時の注意事項

 

基本的には、特別特徴のある服用の仕方などはありません。食後に服用です。

このお薬は患者さんによって1日1回だったり、3回飲む方もいらっしゃいます。量もかなり状態によってかなり変わってきます。

先述した通り、このお薬は、腎臓の機能が低下している方にはNGです。この点は注意したいところです。

糖尿病の方は、合併症に「腎機能低下」があります「し・め・じ」覚えてますか!?腎機能は定期的に調べましょう!!

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服用中に注意すること

・過度のアルコール摂取

・下痢や嘔吐などで食事がしっかりとれず脱水状態の恐れがある場合はいったん服用を中止する

・ヨード造影剤を使用して検査をする場合は、一時的に中止す(後述する「乳酸アシドーシス」を引き起こす可能性があるため)

 

副作用

 

やはり、このお薬で一番注意しなければならないことは「乳酸アシドーシス」です。

酸アシドーシス

途中の、経過はややこしいので割愛させていただきますが、「乳酸アシドーシス」とは血液のpHが酸性側(7.1未満)に傾くことで発現します。

乳酸アシドーシスの初期症状は、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸症状、倦怠感、筋肉痛が特徴的で、いったん発症すると急激に全身状態が悪化し、死に至ることもある重大な副作用なため、服用中に初期症状が発現するようでしたらすぐに受診するようにしてください。

 


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