薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

【各論】糖尿病薬:SU剤

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

今回も各論です、、、。もう少し続きますが、糖尿病薬は、それぞれのお薬の特徴が結構あります。そして、その特徴を知っておかないと「低血糖」などのリスクにつながりますので、まずは「知って理解する」という事が大切だと思います!

 

SU(スルホニルウレア)剤の種類

  • オイグルコン,ダオニール・・・SU剤の中で最も強力です。作用持続時間12~18hと長いのも特徴です。

 

 

  • アマリール・・・インスリンの分泌を促進させる作用は弱いのですが、インスリンの効きをよくさせる作用もあるので血糖降下作用はグリミクロンとほぼ同等くらいです。作用持続時間6~24hと長めですね。

 

低血糖にはご注意

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SU薬を上手く使いこなす上で「低血糖」は避けて通れない問題です。このお薬は、膵臓に直接働きかけて、インスリンの分泌を促すような作用がありますので、他の糖尿病のお薬に比べると低血糖のリスクは高いです。

しかし、「低血糖」のところでお伝えした内容をご覧いただければと思いますが、適切な対処を行えばそれほど心配することはないですよ!

あとは、極端な食事制限を行なったり、激しい運動をしたりしなければ、低血糖自体も防ぐことができると思います。

 

高齢者の低血糖

 低血糖を本当に注意しないといけないのは高齢者の方です。

高齢者は低血糖の症状が乏しく、気づかないと転倒骨折、入浴事故に繋がるため注意が必要です。

また、低血糖が起こった際には、甘いものを取っていただきたいのですが、飴玉を喉に詰まらせたり、ジュースを急いで飲むことで誤嚥する方などいらっしゃるようですので、ご注意ください。

 

服薬上の注意点 

SU剤とマクロライド系、ニューキノロン系、抗真菌薬の一部などの抗菌薬を併用すると重症低血糖を引き起こすことがあります。

これは、抗生物質がSU剤の代謝を抑制するため、SU剤が蓄積されてしまうんですね!

風邪をひいたときや、膀胱炎などなど、抗生物質が処方されるときは度々あるので、ご注意ください。ちなみに全ての抗生物質ではなく、先述した通り、「マクロライド系」「ニューキノロン」だけですので、抗生物質をもらったときは、薬剤師に

「糖尿病の〇〇(SU剤)という薬を飲んでるけど、この抗生物質低血糖を引き起こしやすくしますか?」

と聞いてみてください!

 

膵臓が疲弊する?

SU剤は長期にわたって使っていると次第に効力が落ちてくる(二次無効)と言われています。

この原因としては「SU剤が膵β細胞を疲弊させ,あるいは細胞数を減らしてしまうから」と説明されることが多いです。そのため、なるべく長期で使用するのは避けたほうがいいと考えている先生もいらっしゃいます。

ところが一方で,「SU薬が膵β細胞を疲弊させるという根拠はない」「高血糖が膵β細胞を傷害するのではないか」と考える先生もいらっしゃいます。

割と一般的には、「膵臓を疲弊させる」と言う説明を受けることが多いようですが、はっきりと分からない、と言うことのようです(^^;

 


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