インフルエンザってどういう病気?
お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!
今までインフルエンザ治療薬についてお伝えしてきましたが、そもそもインフルエンザってどんな病気なんでしょうか?
・すごい高熱が出る
・感染しやすい
こんなところが思いつくんじゃないでしょうか?
では、それらを踏まえたうえでもう少し詳しく見ていきましょう!!
<今回の内容>
・インフルエンザって?
・インフルエンザウイルスの特徴
・インフルエンザの流行時期
・インフルエンザの感染経路
・インフルエンザの症状
インフルエンザって?
インフルエンザは、簡単に言うと、
「インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症する病気」
です。
インフルエンザの発症者は0~9歳の小児が約半数を占めているいます。これは、単純に子供のほうが抵抗力が弱いなどで発症しやすいというところと、学校や保育園などの集団生活の中で広がることが主な原因だと思われます。
私の子供も小学生がいますが、冬場はマスクを着用し、うがい手洗いを徹底させてますね!今のところ幸いにしてインフルエンザに罹ったことはありません!!
反対に、インフルエンザによる死亡者は65歳以上の高齢者が大部分を占めているといわれています。
これは単純に、体力的な部分が大きいのではないでしょうか。高齢者は特に「インフルエンザにかからない」という対策が非常に重要なのだと思います。
インフルエンザウイルスの特徴
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、大きく分けて、A型、B型、C型の3つに分類されます。
このうち、「季節性」のインフルエンザとしてヒトの間で毎年流行を繰り返しているのは、
A/H1N1型(ソ連型)
A/H3N2型(香港型)
B型
これらが、猛威を振るってるんですね。
2007/08シーズンから2008/09シーズンまではA/H1N1型(ソ連型)のウイルスが多くを占めていましたが、2009/10シーズンではパンデミック(世界的大流行)を引き起こした新型インフルエンザウイルスがほぼ100%を占めていたことが報告されています。
上記で、H1N1型とかH3N2型とか書いていますし、テレビでも「H?N?型のインフルエンザウイルスが流行」とか聞いたことがあると思います。
A型インフルエンザウイルスには、HAとNAの二種類のトゲトゲがあって、ウイルスが感染を起こすための大切な役割を果たしています。
HAは感染しようとする細胞にくっついて、ウイルスを細胞の中に取り込む役割をします。
NAは、感染した細胞とHAの結合を切って、コピーされたウイルスを細胞から放出させる役割を持ちます。
A型インフルエンザウイルスのHAには16種類(H1~H16)、NAには9種類(N1~N9)あり、この組み合わせによりA型インフルエンザウイルスにはH1N1~H16N9の144種類が存在しているのです。
毎年流行するインフルエンザには、H1N1型(HAがH1、NAがN1)、H3N2型(HAがH3、NAがN2)などがあり、それぞれ「Aソ連型」や「A香港型」といわれています。そして、現在、人での感染が拡大している鳥インフルエンザH7N9型はHAがH7、NAがN9を持っています。
東南アジアをはじめ世界各国で発生している鳥インフルエンザH5N1型は、HAがH5、NAがN1を持つタイプです。
インフルエンザの流行時期
季節性のインフルエンザは、例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。
そのため、今の時期はまさにピークに突入している時期となります。
私は、1月1日に地域の救急当番で薬局をあけていたのですが、インフルエンザの患者さんは多かったですね~(T T)
ちなみに、2009年は新型インフルエンザウイルスの出現によって、5月から感染者が確認されはじめ、夏以降、感染者が爆発的に増加しました。
インフルエンザの感染経路
インフルエンザウイルスは、呼吸とともに体内に侵入し、のどや気管支、肺で急激に増殖していきます!
インフルエンザは主に、インフルエンザに感染した患者さんの咳(せき)やくしゃみなどのしぶきに含まれるインフルエンザウイルスを吸い込むことによって感染します。これを飛沫感染といいます。
インフルエンザウイルスは、呼吸とともに鼻やのどから体内に入り込み、気道の粘膜に吸着して細胞内に侵入します。感染したウイルスは、のどや気管支、さらには肺で急激に増殖していきます。感染2日後にはウイルスの増殖はピークに達し、その後減少します。
インフルエンザウイルスの急激な増殖が、他のウイルス感染症に比べて、速やかな発症につながっている要因と考えられています。そのため、インフルエンザ治療薬のところでも記載しましたが、お薬の服用はなるべく早くが鉄則です!
インフルエンザの症状
・A型インフルエンザ
A型インフルエンザウイルスは、他と比べ症状が激しい型です。
「インフルエンザ」と聞いて皆さんが想像するような、強烈な症状が出やすい型だと考えられています。
通常一度インフルエンザにかかると、回復の過程でそのウィルスに対する免疫が体内に作られますが、A型は先述したように144種類もあり、ウイルスの形をどんどん変えて進化し続けるため、今までに獲得した免疫が機能しにくくなるため、ワクチンを打っても「インフルエンザにならない」という事にはなりにくいんですね、、、。
それに、144種類もあるため、ワクチンの予測も立てにくいという特徴もあります。
・38℃を超える高熱
・肺炎を含む、深刻な呼吸器系の合併症
・ものを飲み込むのが困難なほどの、のどの痛み
・関節痛、筋肉痛
・脳炎、脳症の合併症を引き起こすことがある
・B型インフルエンザ
B型インフルエンザウイルスは、以前は数年単位で定期的に流行しておりましたが、近年は毎年流行しています。A型インフルエンザのように、大きな流行を起こすことはあまりないと考えられています。
・お腹の風邪の症状に近く、下痢やお腹の痛みを訴える人が多い
・人と人の間でしか感染しない
・C型インフルエンザ
あまり聞きなれないですよね!
C型インフルエンザは、いったん免疫を獲得すると、終生その免疫が持続すると考えられています。再びかかったとしてもインフルエンザだとは気づかず、ふつうの風邪と思ってしまうかもしれません。
・ほとんどの大人が免疫を持っているため感染しにくい
・かかるのは4歳以下の幼児が多い
・感染してもインフルエンザとしてはかなり軽症で済むことが多い
・症状は鼻水くらい。ほかの症状はあらわれないことが多い