薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

お酒飲みすぎの方、肝機能大丈夫!?

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

前回に引き続き、肝機能についてです。

今回は、特に気になる方が多いんじゃないかな?と思うγーGTPについて詳しく見ていきましょう!

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<今回の内容>

・γ-GTPについて

・上昇の原因

・数値を下げるためには

 

γ-GTPについて

<基準値>

男性…50IU/l以下

女性…30IU/l以下

 

 

γ(ガンマ)-GTPは、肝臓の解毒作用に関係している酵素でアルコールに対して敏感に反応します。腎臓に最も多く含まれ、次いで膵臓、肝臓、脾臓、小腸にもみられます。

男性は女性よりやや高値です。検査当日の飲食は普通にとってかまいません。ただし、検査前日のアルコールは控えてください!

さすがに、私は検診の前日にお酒を飲む勇気はないですが、、、

 

アルコール以外の食事や運動などはありませんが、個人差が大きく、年齢や性別でも差があります。

たとえば女性ホルモンにはγ-GTPの産生や働きを抑える作用があるため、とくに妊娠後期には低くなります。

 

異常値の場合は、AST・ALPなど、ほかの肝機能検査結果と併せて診断する必要があります。AST・ALPも上昇している場合は、肝炎、肝硬変、肝臓がんといった疾患が疑われます。

γ-GTPのみが上昇している場合は、胆道の異常が疑われます。結石や腫瘍などで胆道が閉塞していると、炎症(胆管炎)を招いてしまうので、早期の治療が必要です。

 

上昇の原因

γ-GTPは肝臓だけでなく、腎臓や脾臓、小腸などに含まれている解毒に関わる酵素です。

おもに、肝臓や胆管の細胞に傷がつき、死滅したときに血液中で上昇すると考えられています。

 

とくにアルコールに敏感に反応し、しかも肝臓や胆道の病気があると、ASTやALPなど、ほかの酵素よりも早く異常値を示す特徴があるので、この検査は一般にアルコールによる肝臓障害の指標となります。

 

一般的には、「γ-GTPが高いですね~」と言われたら、「お酒飲みすぎてるからかな?」と思うんじゃないでしょうか?

先述した通り、アルコールが原因の場合には、早い段階で数値が高くなるのでとても重要な指標だと思いますが、まれに、「お酒飲まないんですけど、なんで高いんでしょうか?」と相談される患者さんがいらっしゃいます。

 

その場合、一番最初に疑うのは、「お薬」です。

 

このブログ最初のほうにもお伝えしていましたが、肝臓はお薬の代謝に係わるため、肝機能障害を引き起こすことがあるのです。

どのような薬でも副作用が出る可能性があり、漢方やサプリメントでも人によっては肝機能障害を起こし、γ-GTPが上昇する方もいらっしゃいます。

実際、某ドラッグストアの肝臓を元気にするというプライベートブランドサプリメント?健康食品?を摂取したことが原因と思われるγ-GTPの上昇という患者さんと対応したことがあります。

 

また脂質の多い食事や運動不足などにより肥満、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が増加していますが、過剰なエネルギー摂取は、肥満だけでなく、肝臓への脂肪沈着の原因にもなり、放っておくと脂肪肝につながります。

 

 

数値を下げるためには

今までの話から、γ-GTPが高いと言われた場合、

・アルコールを過剰摂取していないか

・肥満ではないか

・服用している薬剤はないか

 

以上を振り返ってみてください。

 

アルコール・肥満、この二点に関しては実に簡単ですね!原因が明白なので、あとは自分の意思次第!?といったところでしょうか!

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「簡単ですよね!」と言っておきながら、私自身、お酒大好きですし、少しぽっちゃり?メタボ寸前の状況ですので、簡単と言っておきながら、なかなか難しいのは百も承知です・・・

 

最後の、薬剤性の肝障害が実は一番厄介かな?と思います。

だいたい、お薬の内容が確認できれば、「これが原因かな?」というようなだいたいの目星を付けることはできるのですが、「100%この薬が原因」という事はなかなか断定できません、、、。

この辺りはお医者さんと薬剤師が連携して対応していくことが必要かなと思います。


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