肝臓が悪くなると体が黄色くなる?
お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!
今回も、肝機能の血液検査項目である、『ビリルビン』についてお伝えします!
結構、肝機能の血液検査項目は多いんですね!
<本日の内容>
肝臓が悪くなると体が黄色くなる?
タイトルにもありますが、「肝臓が悪くなると皮膚が黄色くなる」って聞いたことありませんか?
ビリルビンとは、ヘモグロビンから作られる色素で、胆汁の成分になっています。
黄疸になると体が黄色くなるのはビリルビン色素が増加するためです。
黄疸になると、何となく身体が黄色っぽく見える、尿の色がひどく濃い、白目の部分が黄色く色づいて見える等の症状が現れます。
したがって、この血中のビリルビンの量をみることで、黄疸が出る前に障害を知ることができ、また障害の種類も推定することができます。
黄疸とは
先ほどもお伝えしたように、黄疸になると、何となく身体が黄色っぽく見える、尿の色がひどく濃い、白目の部分が黄色く色づいて見える等の症状が現れます。
一般に病的な黄疸をみる場合には、全身の倦怠(けんたい)・疲労感、皮膚のかゆみ、感冒様症状、発熱、尿の色が濃くなるなどの、他の症状を伴います。
黄疸はその原因により以下のようにわけられます。
- 溶血によるもの(溶血性貧血)
- 肝細胞の障害によるもの(肝細胞性黄疸)
- 胆汁(たんじゅう)の流れが障害されるもの(閉塞性黄疸)
- 体質性のもの(体質性黄疸)
ビリルビンから分かる事
<基準値>
総ビリルビン…0.2~1.2mg/dl
直接ビリルビン…0.4mg/dl以下
間接ビリルビン…0.8mg/dl以下
ビリルビンは赤血球の中のヘモグロビンからつくられます。赤血球の寿命は約120日ですが、寿命が尽きて破壊されるときヘモグロビンはヘムとグロビンに分解され、酵素のはたらきでヘムとビリルビンに変化します。これを「間接型ビリルビン」と呼んでいます。
このビリルビンは肝臓へ運ばれ、再び酵素がはたらいて「直接型ビリルビン」と呼ばれるもの変化し、便の一部となったり、腎臓で尿の一部となって排泄されます。間接型と直接型を合わせたものを「総ビリルビン」といいます。
間接型ビリルビンが高値のとき
溶血性貧血や肺梗塞、敗血症、甲状腺機能低下症などの疑いがあります
直接型ビリルビンが高値のとき
胆管・胆道系の詰まりの疑いがあります
直接型が高値で、中間型高ビリルビン血症のとき
肝細胞に異常があるとみられ、急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変などが疑われます
一般的な血液検査では、総ビリルビンのみ調べることが多いですので、「間接型ビリルビン」や「直接型ビリルビン」という検査項目を目にすることはあまりないかもしれません。
総ビリルビンが高ければ、どちらか、若しくは両方とも高値という事が考えられますので、AST・ALT、γーGTPなどのほかの肝機能検査の結果と合わせて検討する必要があります。
さらに必要に応じて、超音波検査や肝生検などの精密を検査を行なう場合があります。