薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

血液検査で肝機能をチェック!

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

今回は、肝機能検査について詳しく見ていきましょう!

 

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肝臓は「沈黙の臓器」言われ発症しても自覚症状が出ないことがしばしばあります。

自覚症状が出たときにはすでに・・・なんてことも

そのため、脂肪肝などは肝炎、肝硬変、肝がんと進行する危険があるので手遅れになる前に早期発見治療せねばなりません。

定期的に検査を受け普段から物言わぬ肝臓にも関心を持っておくことが大事になります。

また暴飲暴食を慎み、バランスの良い食事をとり、適度な運動を生活に取り入れることが必要です。

 

<本日の内容>

・AST(GOT)

・ALT(GPT)

・ASTとALTの関係性

 

AST(GOT)

<基準値>

40IU/l以下

 

ASTはアミノ酸をつくりだす酵素の一つです。

体のさまざまな臓器に含まれていますが、特に肝臓と心筋や骨格筋、腎臓の細胞に多く含まれています。

そのため、値の増減が必ずしも肝臓に関係しているとは限らず、AST値のみが高値を示す場合は、肝臓以外の病気である可能性もあります。
肝臓に関する情報を得るには、ALTも一緒にチェックする必要があります。

しかしながら、ASTは肝細胞に最も多く含まれていますので、この数値の異常ではじめて肝臓病が発見されることがあります。

これらの臓器に障害が起こると、障害された細胞に比例した量のASTが血液中に漏れ出します。

 

・AST 500IU/l以上 … 急性肝炎、心筋梗塞など

・AST 100~500IU/l … 肝炎、肝臓がん、アルコール性肝障害、心筋梗塞など

・AST 33~100IU/l … 慢性肝炎、肝硬変、アルコール性肝障害、心筋梗塞など

・ASTのみ高値の場合は、心筋梗塞など肝臓以外の疾患が疑われます。

 

 

ALT(GPT)

<基準値>

30IU/l以下

 

AST同様、臓器に障害が起こると、障害された細胞に比例した量のALTが血液中に漏れ出すことにより、数値が高くなります。

ALTもASTと同様、肝臓、腎臓、心筋、骨格筋など細胞に含まれていますが、とくに肝臓に多いことから、急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変などの肝疾患を診断するうえで重要な検査になります。

 

・ALT 500IU/l以上 … 急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪

・ALT 100~500IU/l以上 … 急性肝炎、慢性肝炎

 

 

ASTとALTの関係性

ASTとALTの比率も実は重要になります。

 

・AST <  ALT(AST/ALT比 0.6前後) … 慢性肝炎、脂肪肝

・AST  > ALT(AST/ALT比 2.0以上) … アルコール性肝障害、肝硬変

        (AST/ALT比 3.0以上) ...  肝臓がん

 

このような目安があります。

 

ALTは、ASTと似た変動を示すため、両者に異常値がみられた場合は肝障害を疑い、精密検査を行ないます。

急性肝炎や劇症肝炎などでは、ASTの場合と同様に、急性期の発症1~2週以内の経過が重要になるので、連日繰り返してALTを測定することがあります。

ASTの上昇が強く、ALTの上昇が軽度のときは、心筋や骨格筋の障害を考えます。

 

ほかの肝機能の検査値についてはまた次回!


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