薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

便秘とは?~便秘のお薬とお付き合いのある皆さんへ~

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

今回からはいわゆる各論で、様々なお薬とお付き合いのある皆さんに対してピンポイントでお薬との付き合い方をお伝えしていきたいと思います。

 

その第一弾が『便秘』です!

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便秘って、たちまち命にかかわるような病気ではありませんが、QOL(生活の質)に大きくかかわってくる病気の一つだと思います。

ちなみに、QOLという言葉は、小林麻央さんのブログでも出てきた言葉でご存知の方も多いとは思いますが、その方が生きていく中での生活の質を指す言葉です。

残念ながら、病気の中には完治の難しいものもあります。そういった病気と人生を共にしていく中で、その方が少しでも人生を生きやすく過ごせるか?という事を考えて医療スタッフは患者さんにかかわっているんです。

なので、病気を治療していく中でこのQOLは、非常に重要考え方だと思います。

 

少し話が外れましたが、

たかが便秘、されど便秘だと思います!

 

実際、私が働いている薬局や、地域住民への講演会でも便秘に対する質問や悩みは非常に多いです。

そこで今回は、初めに『便秘』とはどういう病気の事なのかを知っていこうと思います!

 

便秘の定義

うんちは毎日でなくても大丈夫なんです!

たまに、

「毎日出ないと気持ち悪い気がするから便秘の薬を飲むんだ」

といわれる方がいらっしゃいますが、それは必ずしも正しい対処法ではないかもしれませんね!

うんちは回数に関わらず、硬くてそれが苦痛だったり、ウンチをした後もすっきりしない、薬を飲まないと出ない、などと本人が不快や苦痛を感じれば、便秘と言います。

便秘についての定義を様々な学会が出してるんですね!

例えば、

日本内科学会

「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」

としていますし、

 

日本消化器病学会

「排便が数日に1回程度に減少し、排便間隔が不規則で便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指しますが、明確な定義があるわけではありません。問題となるのは排便困難や腹部膨満感などの症状を伴う便通異常=「便秘症」です。」

としています。

 

便秘の症状

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・回数の減少

回数は個人差が大きいといわれていますが、 学会の定義からも一般的には「週に3回未満」が便秘とされる状態の目安のようですね!
食べ物を消化・吸収してうんちができるのは、主に腸の働きによります。
個人差はあるものの通常のように腸が働いていれば1日3回~週に3日程、排便があるといわれています。

 

・排便時の不快感

「トイレに行きたいのになかなか出ない」

「強くいきまないと出ない」

「出したのにスッキリせず、まだ残っている感じがする」

など、不快な状態も便秘の患者さんによくみられる症状です。 腸の病気を除き、主に腸の働きの低下やウンチの硬さ・大きさなどの変化によって起こります。

ちなみに、高血圧の方や心筋梗塞・脳梗塞などのいわゆる循環器系の病気をされた方は、この「いきむ」というのはとても危険なんです!特にこれから寒くなってくると、この「いきみ」によって血圧がグッと上がってしまうことがあるんですね!

だから、循環器系の病気で治療されている方は、便秘は要注意ですよ!!!

 

・腹痛やお腹の張り

「お腹にガスがたまっているみたい」

「お腹が張って苦しい」

「お腹の下のほうが痛む」

など、お腹の張りや痛みによる不快感も便秘の患者さんによくみられる症状です。
腹痛やお腹の張りといった症状はウンチ回数の減少にともなってあらわれることが多く、主に腸の働きの低下や腸の中にウンチがたまることで起こります。

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・頻回便

一度にたくさん便が出ず、ウサギのウンチのようにコロコロした硬い便が少しずつ1日に何度も出る場合も、便秘の患者さんによくみられる症状です。

・頭痛、胃痛、胃もたれ

便秘とは一見関係がないように思われる頭痛、胃痛といった症状も便秘の患者さんにあらわれることがあります。 便秘はストレスとの関連が大きいといわれており、頭痛のほか、胃の痛みなどの症状を訴える「機能性ディスペプシア」、胸やけなどの症状を訴える「胃食道逆流症」などが便秘に合併することがあります。

 

便秘に悩んでいる方は多いです

日本では、女性のおよそ4.9%、男性のおよそ2.6%の方が便秘を自覚していると推計されています。

どの年代も基本的には女性のほうが便秘に悩んでいる方は多いのですが、80歳を境に男性のほうが便秘に悩む方は女性より多くなるんですね!

なんででしょうか??

また、70歳を過ぎたあたりから便秘に悩む方は急激に増加してきますね。おそらく、年齢を重ねるにつれて、腸の働きも少しずつ弱ってくるため、ウンチを押し出す力が弱くなってきたり、水分を取る量が減ってきたりしているのが原因なんじゃないかな~?と思っています。

 

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便秘は重大な病気のサインの場合も?

一番は大腸がんかもしれませんね(><)

大腸がんは40~50代から増加し、高齢になるほど高いといわれています。

 大腸がんでは

「便に血が混じることがある」

「細い便が多い」

「40~50代になってから、便秘になった」

などの状態が多くみられます。


そのため、心当たりのある方は、大腸がん検診を受信してみたほうがいいかもしれません。特に男性の方はまさに働き盛りですよね!

毎日忙しいとは思いますが、大腸がんになったら、会社もそうですが家族にも大変な苦労を掛けることになるかもしれません、、、。

気になる方は、

行こう!検診!

(自分もそろそろ40代になるので気を付けないとという自戒の念、、、)


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