薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

ノロウイルスを拡大させないために

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

今回は、不幸にしてノロウイルスにかかってしまった場合、感染を拡大させないための方法をご紹介しようと思います。

 

<今回の内容>

ノロウイルスの感染力

・汚物の処理方法

 

 

ノロウイルスの感染力

感染者の嘔吐物や便の処理は、ノロウイルスによる食中毒や集団感染を防ぐためにはとても重要です。

ノロウイルスは生命力?が強くなかなか死なないんですね、、、

また、感染力が非常に強く、少量のウイルス(10〜100個)でも感染・発症するという厄介なヤツなんです。

 

<1gあたりに含まれる、ウイルスの数>

便には、

約1億個/g (特に乳幼児では100億個以上)
症状がない不顕性感染者でも、10〜100万個/g以上排出されている場合があります。

 

嘔吐物には、

約100万個/g

 

赤ちゃんの便1gで1~10億人に感染させられる!?っていう事なんですかね??

恐ろしい、、、

 

以上からもわかるように、汚物処理は非常に重要になるんですね!

家族の一人が感染してしまえば、家族全滅なんてことも・・・よくありますね

 

 

汚物の処理方法

汚物(嘔吐物や排泄物)には、ノロウイルスが大量に含まれている可能性があります。
感染の拡大を防ぐために以下のポイントを守って、「すばやく」「適切に」処理してください。

  1. 使い捨ての手袋、エプロン、マスク、くつカバーなどの個人防護具を着用
  2. 処理をする人以外は、汚物に近づかないこと。
  3. 効果的な殺菌剤を使うこと。
  4. 十分に換気をすること。
  5. ウイルスは広く飛散し、高く舞い上がるため、広範囲の壁や床を洗浄すること。
  6. 処理後には手洗いを2度行い、うがいをすること。

 

以上がポイントです。

それぞれ少し詳しく見ていきましょう!

 

1、使い捨ての手袋、エプロン、マスク、くつカバーなどの個人防護具を着用

手袋は2枚重ねでの着用がポイントです!

基本的には、処理が終わったら、袋に入れて廃棄してください。エプロンも基本的には廃棄です。しかし、お気に入りだったら、、、

 

というこで、洗濯のポイントをお伝えします。

・下洗いをする

付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理をした後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際には、しぶきを吸い込まないように注意して行いましょう。

・洗濯した場所の清浄化

下洗いを行なった場所も0.02%塩素系漂白剤調整液で消毒し、洗剤を使用して清掃を行ないましょう。

 

3、効果的な殺菌剤を使うこと

ノロウイルスはアルコールは効きません。また、熱にも比較的強いんですね。そして乾燥にも強いという何ともふてぶてしいやつです。

このノロウイルスを殺菌するためには1000ppm以上に調製した次亜塩素酸ナトリウムが有効になります。

そうはいっても、1000ppm以上に希釈した次亜塩素酸ナトリウムなんて普段から常備していないですよね、、、

急にノロウイルスに感染してしまった場合、どうしたらいいのでしょうか?

 

実は、キッチンハイターって次亜塩素酸ナトリウムなんですよね!

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キッチンハイターって結構、どの家庭にもあったりしますよね!

でも、キッチンハイターをそのまま使うには濃度が濃すぎます。

では、キッチンハイターの塩素濃度を0.1%(1000ppm)にする時の希釈方法または目安はどうしたらよいでしょうか?

 

実はすごく簡単で、

水1Lに対してキャップ1杯(20mL)に薄めることで1000ppmの次亜塩素酸ナトリウムの出来上がりです!

 

5、ウイルスは広く飛散し、高く舞い上がるため、広範囲の壁や床を洗浄すること。

先述した通り、ノロウイルスって乾燥にも強かったりするので、思っている以上に飛散するんですよね、、、。

「広範囲の壁や床」ってどのくらいの範囲なんでしょうか?

 

推奨されるのは、

・床は吐いたものの周囲、半径2mくらい

・壁は高さ1,6mくらい

と言われています。

 

思った以上に広範囲に飛散するので要注意です


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