薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

インフルエンザ治療薬の特徴

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

前回に引き続き、インフルエンザのお薬についてです!

 

前回は、全体的な内容でお伝えしましたが、今回は、よく使用されるインフルエンザのお薬、「タミフルリレンザ・イナビル」についてご紹介します!

 

<本日の内容> 

 1、インフルエンザ治療薬の特徴

 2、注意すべき副作用

 3、服用方法

 

 

1、インフルエンザ治療薬の特徴

タミフルリレンザ・イナビルは、インフルエンザウイルスの増殖に必要な「ノイラミニダーゼ」放出を阻害する作用を持った「ノイラミニダーゼ阻害薬」です。

感染初期(48時間以内)に服用することで、症状や治癒日数を軽減する効果が期待できます。
また、インフルエンザA型・B型・新型インフルエンザ(H1N1)に有効です。

商品名 服用回数 服用日数 服用推奨年齢 注意点
タミフル 1日2回 5日間 0歳~9歳、20歳以上 原則10~19歳は使用差し控え
リレンザ 1日2回 5日間 5歳以上 喘息・乳製品アレルギー患者は慎重使用
イナビル 1日1回 1日 10歳以上 喘息・乳製品アレルギー患者は慎重使用

 

タミフル

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タミフルはインフルエンザ治療薬としては世界初です!現在最も普及しているお薬だと思います。

タミフルは、カプセルとドライシロップがあるので、小さいお子さんでも飲めるのが特徴です。粉薬のタイプはこのタミフルしかないので、小さいお子さんには基本的にタミフルが処方されます。

※2016年12月からは0歳児でも処方可能となりました!!

しかし、10代の患者さんに使用できないのがネックですね、、、。

皆さんも、一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか!?

「異常行動」

因果関係は不明ですが、「異常行動による転落死」が問題にになりました。特に10代の子供に多く見られたため、10代の患者さんに使用できなくなったという経緯があります。

子供や未成年の患者さんが服用する際は、異常行動による事故を防ぐためにも、必ず一人にせず、見守っておくことが必要です。

インフルエンザ、特にA型の場合は40度を超える高熱が出ることもあります。繰り返しますが、タミフルが異常行動を引き起こすことについては、因果関係は不明ですが、注意しておく必要はあります。

 

あと、タミフルは長く使用されているから?かタミフルに耐性を持ったタイプのインフルエンザウイルスもあるようです、、、。

 

リレンザ

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リレンザの特徴は吸入タイプという事です。タミフルと同様に、5日間の吸入が必要です。吸入ですのでピンポイントに気道に入るため、副作用が少ないと言われています。

ネックとしては、少し操作方法が面倒だったり、5日間吸入しないといけないという事です。

タミフルも同じ5日間ですが、リレンザは吸入で、1回に2吸入、1日2回なのでちょっと面倒なんですよね~

しかし、リレンザは10代にも使用できるというメリットがあります!

また、タミフルに耐性のインフルエンザウイルスにも有と言われています。

 

・イナビル

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イナビルも、リレンザと同様吸入ですが、1回の治療で終了のためすごく楽です!

私の薬局では、基本的にその場で吸入していただいて「はいっ、終了!」です(^^)

1回の治療=1回で4回の吸入をしていただきます。

※子供の場合(10歳未満の子)は2吸入です

できれば、薬局で吸入しちゃうのがいいんじゃないかと思いますよ!!

基本的には、それ以外はリレンザとほとんど変わりがありません。

リレンザもそうなのですが、吸入の場合、子供が結構失敗しちゃうんです、、、。

吸入と言っても微細な粉を吸入するため、むせる場合があるんです。そこそこ勢いよく吸入してもらうためむせちゃうんでしょうね、、、。

むせた瞬間「ふわっ」と白い粉が舞うことがあります(T T)

吸入後は3~5秒程度息を止めないといけませんので、小学校低学年くらいまでは少し難しいかもしれませんね、、、

 

2、注意すべき副作用

 

タミフル

先ほどお伝えした、「異常行動(幻聴・幻覚)」が特徴といえば特徴ですかね?

ほかには、下痢や悪心(吐き気、胸のむかつき)、腹痛などの胃腸症状があります。

極稀に、アナフィラキシーや肝炎、急性腎不全などありますが、基本的には心配ないでしょう

 

リレンザ

比較的多い副作用としては、タミフルと同様で胃腸症状です。

基本的には、それほど副作用を心配する必要はないでしょう!

粉薬に乳蛋白が含まれているため、牛乳など乳製品アレルギーがある場合には、アナフィラキシー症状に注意が必要です。

 

・イナビル

これも、リレンザとほぼ一緒の注意点のみです!

 

3、服用方法

タミフル

1日2回朝・夕食後

1回1カプセル

ドライシロップなら幼小児:2mg/kg、新生児・乳児:3mg/kg

一歳児よりゼロ歳児のほうが多いんですね!

 

リレンザ

1日2回朝・夕

1回2ブリスター(ディスク1枚で4ブリスター → 1日分)

箱の中には専用吸入器と粉薬が入っているディスクが5枚入っています。
1ディスクに、1日分の薬(=1度に2回ずつ吸入するため、1日分として薬剤が4つ入っている。)をセットして使用します。

※大人も子どもも同じ服用量

 

・イナビル

1回治療で終了

1回4吸入(1つの容器で2吸入、2容器吸入)

※10歳未満の子供には2吸入

基本的には、薬局で吸入しちゃいましょう!!

リレンザは正味20回の吸入になりますが、イナビルはその場で終了のため、きちんと吸入できないと元も子もないかと、、、。

少し不安な場合は、練習用の笛のようなものがありますので、子供さんやご高齢の方には、その練習用吸入笛をしていただいてから正式に吸入していただくようにしています。


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