薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

飲み残しのお薬、どうしたらいいの?

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

 

前回は、年間の飲み残しお薬の金額をお伝えしました。驚きの金額ですよね~(^^;)

皆さん、きちんとお薬を飲まれていると思いますが、どうしても余ってくるという経験はありませんか?

 

「昼がどうしても余ってくる、、、」

「便秘の薬は調整しているから余る、、、」

「痛みがなくなったから痛み止めはやめた」

 

基本的にはきちんと飲んでいるけど、このような理由でお薬が余る事ってあるんですよね!

では、余ったお薬はどうすればいいのでしょうか?

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例えば、こういった患者さんがいらっしゃいます、、、。

 

「風邪薬(総合感冒薬・抗生物質)を5日分もらったけど、3日で治ったから残りの2日分は、また同じような風邪を引いた時に飲むために置いておこう!」

 

このようなことをしたことありませんか?

これってすごい危険な事なんですよ!

なんでかというと、そのお薬というのは、その時の症状を先生が診察して、その症状にあったお薬を処方しています。また同じような症状が出たとしても、それって、同じ風じゃないかもしれませんよね!?もしかしたら、定期的に服用しているお薬の副作用の初期症状かもしれません、、、副作用については、初期の段階で対応することが非常に重要だという事をお伝えしました。

ryouhei200611111.hatenablog.com

 

副作用の初期症状で「風邪のような症状」というのは実は多いんです。

また、抗生物質をむやみやたらに服用することは、耐性菌を生み出してしまい、今後その抗生物質を使うことができない(使っても効果が出ない)事になってしまうのです。

基本的には、風邪などの一時的な場合で診察を受け、処方されたお薬は『飲み切る』という事が重要です!

 

これが、お薬が余らないようにするための最初の対応です!

 

では、

「調節しているから余ってきた」「飲み忘れて余ってきた」と言った場合はどうしたらいいでしょうか?

 

こういった時は、

薬局に持ってきてください!!!!!!!

多少の手持ちを置いておくことは問題ありません。

「受診日だったけど急遽予定が入ってしまったから診察に行けなかった、、、」

こんな時に、1週間分くらいの手持ちの余裕があれば、薬を切らさなくて済むのでいい対応だと思います。

しかし、これが2~3週間以上余ってくるようだったら薬局に持ってきてください!

持ってきていただいた薬を薬局では、

使用できるかチェック

お薬には使用期限があります。また、きちんと保管していなければ、お薬の効果がしっかり出ないことがあります。そのため、外観をしっかりとチェックし、使用可能かどうかをチェックします。

たまに、使用期限が切れている薬や湿気の多いところや日光のあたるところで保管していたため、変色したり湿気を吸っていたりする薬を見ることがあります。

 

持ってきた薬を使ってお薬を調剤します

例えば、

・持ってきていただいた薬が25日分

・処方箋の日数は56日

つまり持ってきていただいた薬を使用すれば、処方箋の日数は31日でいいわけです。

薬局は、そのことをお医者さんにお伝えし、処方箋の日数を

56日⇒31日に変更

してもらいます。

これがどういうことかというと、患者さんは56日のお薬代を支払うのではなく31日分のお薬代だけでいいわけです。なので、皆さんのお財布にも優しいですし、医療費の削減にもつながるのです。

皆さんがきちんとこのようにしていただければ、前回もお伝えしましたが、数百億円~数千億円の医療費を1年間で削減することができるという事です!!

 

『お薬が余ってきてごちゃごちゃしてきたから捨ててしまおう!』

こんなことは絶対にしないでください!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

患者さんからよく聞くのですが、

「お薬が余ってることはお医者さんには言いにくい、、、。せっかく処方してもらってるのに申し訳ないし、怒られるかもしれないし、、、」

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先生が怒るかどうかはわかりませんが、このような調節は、患者さんが直接、お医者さんにお伝えする必要はありません!薬局にお薬を持ってきてくだされば大丈夫です!

これは、薬局の重要な役割の一つですので、気にせずにおっしゃってくださいね!!


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