薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

漢方あるある!?

お薬とお付き合いのある皆さん、こんばんは!

 

前回、便秘薬の漢方についてお伝えしましたが、ついでに漢方との付き合い方についてお伝えしようと思います。

 

前回もお伝えしましたが、漢方薬って難しいんですよねぇ、、、。なかなか勉強できていない自分自身への言い訳なのですが、正直深いところまでのことはお伝え出来ません(TT)

今回は、日々患者さんにお薬をお渡しする中で、患者さんからの質問や疑問が多いところについてお伝えしていこうと思います。

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Q1 漢方薬は食前・食間じゃないといけないの?

漢方は通常、食間(食後2時間ほど経過した空腹時)または食前(食事のおよそ30分くらい前)に、ぬるま湯で飲むことが望ましいとされています。

では、なぜ空腹時がいいのか?

漢方薬は複数の生薬から成り立っており、その絶妙なバランスで効果を発揮します。

食後に飲むことは食べ物と胃の中で混ざり配合のバランスを崩すことになり、効果が薄れてしますことがあります。

そのため、漢方は胃の中に何も入ってない空腹時の食前(食事の30分前)、食間(食後2時間後)に飲むことが効果的と言われているのです。

とは言っても服用忘れを食事中に気付いたり、食間にも忘れてしまうこともあると思います。または、とても几帳面な方では「食後3時間たってしまった!もう飲めない!」と思い込んでしまう方もいらっしゃいます。

しかし、食前・食間とわかっていても食事の直前になってしまったりしますよね・・・。そんな場合どうしたらいいのか?

結論から言うと、食後でも漢方薬の効果が全く失われるわけではありませんので、決められた1日量を服用することが大切、という事です。

つまり、食後でもいいので服用してください!という事です。

 

きちんと服用し続けることが一番重要です!

ただ、もちろん漢方薬の効果を最大限発揮できるのは食前と食間がベストになります。

 

がんばって食前・食間で飲むことを心掛けてください!

 

Q2 漢方薬はすぐに効かない?

漢方薬によって効果の効き目の表れ方は違います。これはいわゆる西洋医学のお薬と同じです。

即効性のある漢方薬で体質や症状にあっていれば服用して10~30分で効果が出る漢方もあります。例えば「こむら返り」でよく処方される「芍薬甘草湯」等は即効性がある漢方薬の代表?かなと思います。

一般的な漢方薬なら服用を始めて1~2週間で効果が出てくると言われています。

特に長く飲み続けるタイプの漢方薬でも2~4週間で効果が実感されるようになります。

ゆっくりと効く漢方薬は、慢性疾患に使われることが多いです。慢性疾患の場合は、長い期間をかけて病的な体質が出来上がっているので、それを改善するにはある程度の器官のみ続けることが必要になってくるのです。

では、1か月以上服用しても効果が実感できない場合はどうすればいいのでしょうか?

もし、そのような場合は、漢方薬が患者さんにあっていない可能性もあります。まずはかかりつけのお医者さんに相談してみましょう!

 

Q3 漢方薬は副作用がないの?

これもよく聞くんですよね、、、。

このブログでもお伝えしていますが、どんな薬にも副作用はあるんです!軽微なものもあれば重篤なものもありますが、漢方薬も例外なく副作用の報告はあります。

効果はあるのに副作用はない、という都合の良い薬は存在しないんです、、、。

1つ注意していただくとすれば、漢方薬を飲み始めてから咳やむくみや動悸などの変化を感じたらすぐに相談してください。

これらは、漢方薬にマオウやカンゾウといわれる生薬が入っている場合は特に注意が必要です。

マオウ

動悸や頻脈といった、胸のドキドキ・胸の痛みなどを引き起こす可能性があります。

カンゾウ

偽アルドステロン症・低カリウム血症といった、むくみや血圧上昇を引き起こす可能性があります。

こういった副作用も、初期の段階で対処すれば大事には至りませんので、ご安心ください!

 

次回は、「漢方は飲みにくい」という方に、飲み方のポイントをお伝えします!


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