薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

副作用って何?お薬の表と裏の顔! part2

お薬とお付き合いのある皆さん、こんにちは!

前回は、お薬の「表と裏の顔」についてお伝えしました。

 

お薬の「表の顔=天使」とは、、、

      病気を治す効果

お薬の病気を治す作用の事を「主作用」といいます。

 

お薬の「裏の顔=悪魔」とは、、、

    本来期待していない効果

このことを『副作用』と言います!

 

このようにお伝えしました。

 

具体的に見ていくと、

例えば、

   『風邪ひいて鼻水がひどい~』

という場合、

鼻水を止める抗ヒスタミン剤という種類の薬が処方されることがあります。

この抗ヒスタミン剤「表の顔=天使」とは、鼻水を止める作用です。

では「裏の顔=悪魔」とはなんでしょうか?

これは、「なんだか眠気が出てボーっとするな、、、」です。

 

薬を処方した本来の目的以外の効果はいわゆる『副作用』なんですね!

この場合、『少しボーっとするな』位ならそれほど心配ないのですが、もし車を運転する方、特に、長距離運転手の方などは、交通事故の可能性が出てきますので、お薬の取扱説明書(添付文書)には、

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。

このように記載がされているんですね!

 

表現が適切かどうかはわかりませんが、このくらいの副作用であれば、この副作用がいわゆる『死』や『重篤な後遺症』になることはありません。(車の運転はくれぐれも注意していただきたいです)

 

しかし、非常にたくさんの方が服用しているお薬の中に、特に気を付けないといけない副作用もあるんです。

 

例えば、生活習慣病である高コレステロール血症で悪玉コレステロールを下げる薬です。(すべてではないですよ!あくまでも一例です)

『横紋筋融解症』という副作用があります。

どのような症状かというと

筋肉をつくっている骨格筋細胞が破壊され,筋肉の成分が血液中に流出してしまう病気です。そして,破壊された成分が大量に血液中に流れ出て,腎臓に負担がかかる結果,尿が出にくくなるなどの腎障害を起こしてしまう症状です。

でも、この副作用が出た場合、直ちに上記のような結果(急性腎障害)になるわけではないんです!!

必ず初期症状があるんですね!!!

 

この、初期症状を把握しておくことがとても重要です!

 

例えば、この例でいうと、

  • 手足がしびれる
  • 手足に力がはいらない
  • 手足・肩・腰・全身の筋肉が痛んだり(筋肉痛,圧痛),こわばったりする
  • 全身がだるい
  • 尿の色が赤褐色になる(ミオグロビン尿といわれる)

このような症状が現れた場合、すぐにお医者さんに相談し、それが『横紋筋融解症』の初期症状だと判断されれば、中止することによって、自然と回復することが大半なんです。

 

前回、『お薬には副作用はつきもので、場合によっては副作用でなくなる場合もある』

 

とお伝えしましたが、その副作用が直ちに『死』『重篤な後遺症』につながることは極々まれだという事を知ってもらいたいと思います。

 

このように、何かしらの初期症状があり、それに気づかず服用を続けることで、『最悪な状況』を引き起こしてしまう可能性があるのです。

 

薬剤師は、お薬を渡す際にこの『重篤になりうる副作用』がある場合は、その初期症状をお伝えしています!これが、薬剤師のとても大切な仕事の一つなんですね!!

 

なので、薬剤師の話にもきちんと耳を傾けて聞いてほしいなぁ~(^^)

 

では、どういう方が特に副作用のリスクが高いのか?この辺りを次回お伝えしたいと思います!!


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