薬剤師が伝える!『薬との上手な付き合い方』

薬局で働く薬剤師が、地域住民に対して「お薬との上手な付き合い方」という講演会を実施していく中で、お薬を飲まれる方々が『本当に知りたい事』を講演会での質疑を通して知ることができました。その経験から、本当に大切なお薬との付き合い方を、様々な視点からお伝えしていき、安心・安全に服薬できるような情報を提供していくブログです。

飲み込みが悪くなり、むせる方へ!part3

お薬とお付き合いのある皆さん、おはようございます!!

 

 

昨日は、お薬は特殊加工(腸溶錠・徐放錠)しているので、つぶしたり、カプセルをばらしたりしたらいけませんよ!!という事をお伝えしました!!

 

お薬って、錠剤にするために固めたり、カプセルに入れているだけではないという事を知っていただけて良かったです(^^)

 

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では、そのような薬を飲まれている方で、飲み込みが悪くなっている患者さんへの対応はどうしたらいいのでしょうか!?

いくつか方法がありますのでお伝えします。

 

<違う剤型の薬に変更してもらう>

同じ成分のお薬でも、『粉薬』や『水薬』といった、飲み込みが悪くなっている方でも、比較的安心して飲めるような形の薬があります。

また最近では、そもそも服用する必要のない『貼り薬』のタイプの薬も少しずつですが発売されてきています。

飲み込みが悪い方とは少し違うのですが、認知症の患者さんの中には、お薬を口に入れてもすぐに吐き出してしまう方がいらっしゃいます。でも、少しでも認知症の進行を遅くするためにもお薬を飲んでいただきたいので、貼り薬タイプの認知症薬が発売されています。

ほかにも、頻尿の薬なんかも貼り薬がありますね!

でも、残念ながら、すべての薬について剤型を変更できるとは限らないんです、、、。

では、剤型を変更できなかったらどうしましょう!?

 

<特殊加工されていない似たような薬に変更し粉砕する>

例えば、血圧の薬といってもその種類は数十種類存在しています。そして、その血圧の薬の中には特殊加工されている薬もあれば、特別特殊加工されていない薬もあります。

血圧の薬には数十種類あると言いましたが、すべてが似たような作用ではないんですね。結果的には血圧を下げるお薬なのですが、その血圧を下げる工程・効き方が違うんです。

そのような中で、血圧を下げる工程・効き方が同じような薬で特殊加工していない薬変更が可能か?お医者さんと相談して変更してもらうことができるんです!!

変更してもらえれば、お薬を粉砕してお渡しすることができますね!!

これに関しても、すべての薬が変更可能かというとそうではないんです、、、(TT)

それじゃあもう手詰まりですか?

いえいえ、まだ対策はありますよ!!

 

<簡易懸濁法>

最近、この『簡易懸濁法』を使ってお薬を服用する方が増えてきています。

いやいや、そもそも『簡易懸濁法』って何?ですよね!

 

簡単に言うと、だいたい55℃くらいのぬるま湯にお薬を溶かして服用する方法です。

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最近は、胃ろう(おなかに穴をあけて、胃にチューブを通し、そのチューブからお薬や栄養を入れる方法)を作る患者さんが増えてきていますが、その場合は錠剤を直接チューブに入れることができないので、お薬を溶かしてチューブに流しいれる方法で服薬しています。

これも、すべての薬が溶けるかというとそうでもないんですねぇ~(TT)

また、溶かしたらよくない薬もあったりするんです、、、。

なので、

自己判断でお薬を溶かすことはしないでくださいね~!!

 

 

以上、お薬の飲み込みが悪くなった患者さんに対する薬局での対応はおおむねこの3つの方法で解決できることが多いですね!

 

これらの方法は、薬剤師が患者さんにお薬をお渡しする前に、お医者さんと相談して安心・安全に服用してもらうための方法なんです!!

医薬分業の大きなメリットの一つですね!!


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